組織を極める

組織や人に関することが好きなので情報発信します

Withコロナ/Afterコロナで、組織や働き方はどう変化していくか

ちょっと壮大なテーマになりますが、Withコロナ/Afterコロナを考える中で、思わず筆を執ってみました。(正確にはタイピングをしてるわけですが)

この人類史に残るであろう出来事を踏まえて、組織や働き方がどのように変化していくのかを、考えてみたいと思った次第です。完全に僕の妄想ベースですので、ファクトがあるわけではありません。ただ、こんな風に変化していくんじゃないかなぁ、変化していくとワクワクするなということを書いています。

そもそも組織とは

組織は何のために存在するかですが「一人では実現できないことを成し遂げる手段」と捉えています。ホモ・サピエンスが進化した理由は、集団で戦う力が勝っていたから。さらにその要因はコミュニケーション力にあったと言われています。われわれ人類だけが得ることができた「集団で戦う力」を最大化するために、きっと組織は存在するのでしょうね。

組織における役割分担

それでは組織における役割を分類すると、どのようになるのでしょうか。僕は大きく3つかなと考えています。

役割 どんな人 具体例
リーダー 事業や組織のビジョンを示し、引っ張る人 経営者、マネージャー、チームリーダーなど
オペレーター リーダーのビジョン実現を推進し、発展させる人 メンバー
プロフェッショナル リーダーのビジョンとオペレーターの実行力の差を埋め、ビジョン実現に近づける人 弁護士、会計士などの専門家や業務委託など

オペレーターと表現するとネガティブな印象があるかもですが、決してそんなことはありません。オペレーターがいるからこそ、持続的に事業・組織が成長していくと考えており、むしろ重要です。これら3つの役割に優劣はなく、どれも大切な役割と考えています。

この先、組織における役割分担はどうなる?

3つに整理したリーダー、オペレーター、プロフェッショナルの役割ですが、それぞれの特徴が尖ってくると思います。個人のキャリアの描き方の視点で考えると、オペレーターからリーダーまたはプロフェッショナルに。逆にリーダーからオペレーターにと行ったり来たりにもなりそうです。

さらに組織に対する帰属意識や雇用形態も変化していくでしょう。正社員からフリーランスに。フリーランスから契約社員や正社員にと、環境や自分のやりたいことに合わせて働き方を変えていきそうです。組織マネジメントの視点に立つと、無期雇用の正社員だけで固定的に組織化するのではなく、環境や課題の変化に応じて柔軟に変化する組織が求められます。そのような中で、役割、帰属意識、雇用形態がどう進化していくか妄想してみます。

個性と強みの進化

リーダーは、ビジョンを示さないと、顧客もメンバーも付いてこなくなるのではないでしょうか。何のために事業を行うのか。誰に何の価値をどうやって提供したいのか。その先にどんな世界を実現したいのか、を語り続けることがより一層求められそうです。表面的に語るのではなく、自分の信念とワクワクするゴールイメージを結びつけて仲間を惹きつけることが大切です。

オペレーターは、ビジョンを信じ、やり抜く力が足りないと、働き方・生き方に迷いそうです。自分は何故ここにいるのか。自分が成したいことはなにか。どうチームに貢献するのか。チームメンバーからはどう貢献することが求められているのか、を考え続けることになるでしょう。専門性は必要ですが、それ以上に今ここで働く目的を見いだせないとしんどくなりそうです。

プロフェッショナルは、専門能力・人間力が足りないと、価値創出ができなくなるでしょう。何が自分の価値なのか。それをどうやって発揮するのか。何がユニークで、なぜ他人はマネできないのか。課題と状況に応じて、個性と強みを発揮し続けることが求められそうです。弁護士や会計士などの専門家だけではなく、エンジニアやデザイナーもフリーランスが当たり前になってきました。この先はさらにあらゆる職種のフリーランス化が進んでいくでしょう。

帰属意識と雇用形態の変化

次に帰属意識ですが「帰属意識」という概念も役割によって変わりそうです。リーダーは、企業・事業の存在目的(ミッション)に。オペレーターは、企業・事業の持続的な成長に。プロフェッショナルは、企業・事業の変革にそれぞれコミットするのではないでしょうか。となると、リーダー、オペレーターは企業・事業への帰属意識が求められ、プロフェッショナルは、帰属意識は薄いでしょう。そして帰属意識に対応して雇用形態も変わってきそうです。

リーダーは、事業・組織を引っ張ることが期待されます。執行役員やマネージャーは無期契約よりも有期(例えば1年〜3年単位の)契約の方が向いているかもしれません。中長期の時間軸でビジョン実現にコミットするためには、有期契約で結果責任が明確な方がしっくりきます。長くても3年ごとに、組織と本人のミッションが擦り合っているか確認しながら契約更新していくイメージでしょうか。

オペレーターは、正社員での安定的な雇用が適しているでしょう。長くパフォーマンスを発揮し続けてもらいたいので、雇用期間も無期のほうがフィットします。組織マネジメントの視点で考えると、能力開発投資は長く働くオペレーターにフォーカスするのが良さそうです。人事制度やトレーニングはオペレーターに最適化し、リーダー・プロフェッショナルは自己研鑽を求める感じでしょうか。

プロフェッショナルは、プロジェクト単位の成果ベースの契約が適していそうです。時間や場所に縛られず、プロジェクトのゴールに対して成果で定義する。プロジェクトの課題に対してバッと集まって、ガッと解決して、サッと去っていく。報酬は少し高くても、短期間で成果創出してくれるのが、プロフェッショナルな働き方ですね。

働き方の変化について

今後、知的労働者は、リモートワーク中心の働き方になるでしょう。時間や場所を裁量に委ね、事業・組織目的とその成果にコミットする働き方です。知的労働者には、管理型のマネジメントは適しません。性善説に基づく信頼のマネジメントがフィットしそうです。こう書くと何でもかんでも本人の裁量に委ねると捉えられるかもしれませんが、そうは考えていません。

例えるなら、最低限のルール・規律に基づく、信頼のマネジメントという感じでしょうか。チームの目指すビジョンや目標(成果水準)は厳格に規定され、その中で個性を十分に発揮する働き方です。リーダーはこの絶妙なバランスをマネジメントし、ときにはリーダーシップで引っ張っていくことが求められるでしょう。もしメンバーがサボるとしたらそれは半分リーダーの責任でもあります。魅力的な役割や業務をデザインできいないということになりますから。

まとめ

徒然なるままに書きましたが、今は一人ひとりが生き方、働き方を見つめ直していると思います。これから先どうなるのか見えない状況は続きますが、変化の兆しは起きています。僕自身もこれからどう世界が変わるのか、その中で自分がどうありたいのかを考えているところです。大変な状況ではありますが、このタイミングに生を受けたことをポジティブに捉えて、新しい組織のあり方を考えていきたいと思います。