組織を極める

組織や人に関することが好きなので情報発信します

コロナウィルスのリスク対応と組織を元気にする取り組み

コロナウィルスは今のところ収束の兆しを見せず、猛威を奮っています。自分の想定以上の状況になり、リスク管理の甘さを反省しました。リスク対応だけではなく、組織の活性化も同時に求められる難しい局面に、組織や人事に関わる方も試行錯誤していると思います。僕が働くオズビジョンで実施した具体策を共有することで、何かしらのヒントになれば幸いです。

みんなの安全を守る施策

まず第一に考えなければ行けないことは働く仲間の安全です。そのために以下のような施策を実施しました。

  • リモートワークの推奨(その後、必須に)
  • Slackでの情報共有用のチャンネル作成
  • コロナウィルス対策マニュアルの策定
  • 困っていることリストによる可視化
  • リスクシナリオの検討

どんなことを実施したか、一つ一つ見ていきましょう。

リモートワークの推奨(その後、必須に)

中国でのコロナウィルスの拡大が報道されはじめた2/17の時点で、全社員のリモートワーク推奨を周知しました。現在は出社禁止(リモートワーク必須)です。もともと働く場所や時間を選ばない自律型勤務制度を導入していたため、それなりにスムーズにリモート体制へと移行ができましたが、派遣社員の方などへの対応も必要でした。正社員、業務委託、派遣社員など雇用形態に関わらず、リモートワークを導入しました。
リモートワークでお困りの方は、体系的・網羅的にまとめて頂いているソニックガーデン倉貫さんのブログをご覧ください。
www.sonicgarden.jp

Slackでの情報共有用のチャンネル作成

コロナウィルス関連の情報をリアルタイムに伝えたい、かつ、埋もれないように Slack では専用のチャンネルを立てました。日々更新されていく情報を発信することが目的です。また、人事部門だけではキャッチしきれていない情報を上げてもらってもいます。

コロナウィルス対策マニュアルの策定

「1、体調不良の場合」「2、社員が感染した・社員に感染の疑いがある場合」「3、社員が感染者と接触した場合」「4、出社時のルール」「5、来客時の対応」をまとめた対応マニュアルを作成しました。発生当初は不測の事態にどのような対応を取るのが良いのか、意思統一が図れていませんでした。「会議室は定員数の半分の人数で利用すること」などの細かいルールも明文化することで、実務的な行動基準まで決めました。

困っていることリストによる可視化

社員のみんなが困っていることを気軽に上げてもらえるようにスプレッドシートを準備しました。具体的にはこのような困りごとが上がってきました。

  • PCマイクだと音声が悪いので、マイクセットが欲しい
  • Wi-Fiが弱いとか容量制限がある等で会社と同じパフォーマンスが出せないケースもあるようなので、貸し出し用のルーターが欲しい。
  • 単純にみんなに会えないのが寂しい。しょーがないですが。
  • 全社会議(昼会)で、いつも以上に反応が見えず不安になる

設備から感情、一人暮らしや家族と暮らす人など、その人の状況によっても困りごとがたくさんあることがわかりました。率直なフィードバックを集めることで、みんなが不安なことを知ることができました。困りごとには、担当を割り振り、解決策を考え、人事・総務・情シスのメンバーで分担して対応しました。

リスクシナリオの検討

楽観(3〜4月に収束)、通常(6〜7月に収束)、悲観(年内いっぱい続く)の3つのパターンに分け、どのようなことが起こるかを想定し、対策を検討しました。組織面だけではなく、事業、財務を含めて行いましたが、組織にフォーカスすると、人事マネジメントシステムの運用が平時のようにできないこと、肉体的・精神的疲労の蓄積、組織文化の希薄化などの懸念があります。起こりうる未来を想定することで、いまやることを具体化することができました。

組織を元気にする施策

これまではリスク対応の話でしたが、それだけやっていても暗い雰囲気になりがちですよね。少しでもこの状況を前向きに進めるために以下の取り組みを実行しました。

  • テレビ会議システムの導入(zoom)
  • zoomによるシャッフルランチ
  • 全社会議の盛り上げ

リモートワークによって一人ひとりの状況が見えづらくなる中で、テクノロジーと人力を組み合わせて組織が元気になることを試みています。

テレビ会議システムの導入(zoom)

Googleのハングアウト(Meet)は導入済みではありますが、あえてzoomも導入しました。動きが軽く画質がよいこと、ハングアウトより顔が見やすいこと、録画ができることなどのメリットがあります。これまでハングアウトで行っていた1 on 1はzoomに変えることで、やりやすくなりました。また、zoomには背景を変える機能もあり、宇宙や原っぱから会議に参加することも可能です。年間2万円程度で有料版が利用できますので、投資対効果は十分と思います。
zoom.us

zoomによるシャッフルランチ

上述のzoomを利用して、お昼の時間にランダムな人とご飯を食べるシャッフルランチを実施しました。zoomには参加者を少数のグループに分けて個別にミーティングルームをつくる機能があります。普段なかなか話さないメンバーと一緒になることで部門を超えた交流促進にも繋がります。カジュアルな話題から本質的な話につながることがあったりと、いろんなメンバーと話をすることの大切さに気づきました。ランダムに部屋を割り振られるので、そのドキドキも楽しみですよ。

全社会議の盛り上げ

全員リモートで参加するミーティングは意外とやりづらいものです。そこで、お昼の会議のオープニングに「ウキウキWATCHING」を流してみました。うけたかどうかは聞かないでください。

最後に

日々状況が変わるからこそ、仲間を信じて、機動的・自律的な意思決定を進めていきたいですね。社会や組織を一回り成長させる機会と捉えて、困難を乗り越えて行ければと思います。