組織を極める

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献本頂いた『成長を支援するということ』を読んだ話

僕が大好きな英治出版さんから発売された『成長を支援するということ――深いつながりを築き、「ありたい姿」から変化を生むコーチングの原則』を献本頂きました。ティール組織きっかけでつながりを頂いた方からの献本で、とても楽しみにしていました。本書を読んで僕が印象に残ったことを3つまとめます。

思いやりのコーチン

思いやりのコーチングとはクライアント(コーチを受ける人)とコーチが信頼関係をもって互いを認め合っているコーチングと受け止めました。従来型のビジネスコーチングでは、目標を具体化し、現状とのギャップから課題を特定し、何をするか(アクションプラン)に落とし込みます。思いやりのコーチングは、理想の自分(パーソナルビジョン)を描き、現実の自分を見つめ強み・弱みを理解し、学習アジェンダを設定し、具体的に実践するステップを踏みます。

従来型のコーチングは、周囲からの期待を前提とした理想と現実のギャップを解決するアプローチです。〜すべき、〜しなければならないという外圧的な力に基づきます。一方で思いやりのコーチングはうちから出る力を最大化します。PEA(Positve Emotional Attractor)というポジティブな感情を誘引する因子に結び付けられることで、持続的に変化し続けることができます。

この内面から湧き出る力を引き出すためには、クライアントとコーチの信頼関係が重要です。コーチがポジティブなマインドを持ち、心からクライアントを支援したいと考えるとき、共鳴する関係に行き着きます。コーチとしての専門能力はもちろんですが、在り方も重要と理解しました。

コーチがすべてを見えているわけではない

発達障害を疑われる未就学児の事例がありました。具体的な内容はネタバレするので、割愛しますが、僕自身も目からウロコの事例でした。コーチは、クライアントよりは俯瞰して現状を認識することができますし、そう努める必要があります。とはいえ、コーチがすべてを認識できているわけではなく、むしろ専門家だからこそ経験や過去の成功体験が邪魔をすることもあります。

クライアントに意識を集中するが、「監督すること」や「教えること」ではない。クライアントを導くことで、感情を自覚させ、同時にまわりの人々や指摘されなければ見落としていたかもしれない状況の別の側面に目を向けさせること、とありました。過信することなく、ありのままを見つめる大切さをあらためて学びました。

コーチャブルな状態

コーチングに適した瞬間はいつでもあるという前提に立ちつつも、効果的な瞬間があります。例えば、昇進したとき、転職したときなどの新しいポジションに付いたときです。さらに肝心なのは最初の2年とのことで、能力発揮のためにはその2年の支援が必要です。 それ以外にも、人生やキャリアの転換点はコーチングに適しています。卒業まえ、結婚まえ、子どもを生む・養子を迎えるまえ、一生の病気または末期疾患を宣告されたときなどです。

一方でコーチングに適さない状態もあります。現状に満足している場合、抑圧的、または過酷な環境にいる場合、すでにかけたコストが大きすぎていまさら路線変更できない場合などです。以前読んだ一兆ドルコーチでも、万人にコーチングができるわけではないという内容がありました。ポジティブなマインドセットが難しい状況もありますので、そのようなときは環境の変化を待つのも一つかもしれません。

まとめ

全体を通してポジティブなマインドセットで構成されており、楽しく読み進めることができました。コーチングの実践的な手法も勉強になりますが、やはりコーチとしての在り方が大切だと身にしみました。すでにコーチとしての仕事をしている人はもちろんですが、これからコーチを志す人や、部下を持つマネージャーにもおすすめの一冊です。