組織を極める

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経験学習とアクティブラーニングを取り入れた研修内製化のすすめ

気がつけば前回のエントリーから2か月が経っていました…

早いもので夏も終わりですね。毎年楽しみにしている高校野球も気がつけば一瞬で終わっていました。今年は花咲徳栄が埼玉県初の全国制覇を遂げたのですね。

さて、この1か月は怒涛の日々を過ごしていました。社会人人生初の海外出張から3泊4日のBizcamp in 釜石、合間を縫っての社内研修&採用面接を連日こなし、高校野球を見る暇もない毎日でした。今日はその中でも2週間に一度実施し続けている社内研修の話をさせていただきます。

以前のブログtapir320.hatenablog.jp
で研修設計を学ぶ研修に行ってきたという話をしましたが、その学びを活かして研修内製化を行っています。次世代リーダーを対象とした研修を行っていますが、以下の4つのテーマでの研修が終了しました。

  • 第1回:重要思考
  • 第2回:組織運営
  • 第3回:リーダーシップ
  • 第4回:コミュニケーション

これらの研修を設計する上で大切にしたのが、経験学習とアクティブラーニングです。研修内製化を行うにあたって外してはいけない2つのポイントを実践を交えてお話をさせて頂きます。

経験学習

経験学習とは、1) 自らの経験を通じて学習し、2) そこで得た気づきを振り返り、3) 学びを次に応用できるように考え、4) 新しい挑戦に活かす、という4つのサイクルです。この4つのステップを回すことを意識して研修を設計します。具体的には以下のように進めています。

1. 講義をする(20分)

まずは講義から入りますが、一方的に話をすることはしません。ランダムに受講者のみなさんのことを指名し、意見を出して頂くようにしています。講義のテーマとこれまでの経験の関連する質問をすることで、自身の体験と新しい知識の紐付けができるように工夫します。

2. ワークをする(30分~40分)

個人ワークではなく2人一組ないしはグループ(5~6名)ワークとします。一人ひとりが主体的に取り組めるような人数とします。

3. 学びを振り返り、宿題を出す(20分)

ワークで出た議論や、ワークを通じて得た気づきを振り返り、発表してもらいます。また、学びを行動に変えるために宿題を出しています。やるかやらないかは参加者次第ですが、宿題に取り組むことで学びを定着させる効果を期待しています。

4. 振り返りをシェアしてもらう(講義終了後)

社内のイントラネットに振り返りを共有してもらっています。シェアするメリットは、2つです。言語化する過程で内省化が進むことと、他の参加者にとっても新たな気づきになるからです。

以上のような研修の組み立てが経験学習の1)から4)にもつながります。


アクティブラーニング

アクティブラーニングとは、研修の受講者が能動的に参加する学習方法のことです。受講者に文字や言葉でのアウトプットを促したり、グループワークを行ったりする研修方法です。対になるのは講義形式です。なぜ、アクティブラーニングが良いかですが、講義形式の学習効果を測ったところ、受講してから半年後にあらすじを思い出せる人は2%、キーワードだけなら思い出せる人は29%との結果があるからです。自分の学生時代を振り返れば、勉強の記憶がまったくないのも納得ですねw

あともう一つ、研修を設計する研修に通った際に学んだのは説明の組み立てとして、「吐く」→「吸う」→「吐く」のステップを意識するとのことです。「吐く」とは受講者からのアウトプットで、「吸う」とは受講者にインプットすることです。
最初の「吐く」で参加者の「現状のレベル」を確認します。次の「吸う」でレベルに応じた講義をします。最後の「吐く」で受講者にアウトプットしてもらい、理解度を測ります。この3ステップが大人相手の教え方には有効とのことです。

まとめ

研修内製化に取り組まれている人事担当も多いと思いますが、まずは研修の設計手法を学ぶことをお勧めします。その上で、まずはやってみる。やってみると気づきや反省もありますので、改善してまた試す。まさに経験学習のアプローチが研修内製化の精度も高めると思います。

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