中小企業を極める

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供託金の取り戻しを経験した話

前回のブログ更新から早2週間が経ちました…当初は毎日更新してやる!と意気込んでいたものの現実は厳しく、改めて継続することの難しさを痛感しています。目標を下方修正し、週に1回は更新したいと思います!

今日はちょっとレアですが供託金の話です。供託金は収めることはあっても取り戻すことってあまりないですよね。珍しく取り戻し手続きの機会がありましたので、そのお話しを共有したいと思います。

供託金とは

総務担当が実務的に供託金を扱う機会として、2つのケースを思い浮かべました。

  • 売掛金等の未回収の仮差押えにかかる供託
  • 前払式支払手段に伴う供託

しかしながら、法的には以下の5つに大別されるとのことです。

供託は,その機能により大別すると,次の5つがあります。
(1)弁済のためにする供託(弁済供託)
(2)担保のためにする供託(担保保証供託) ― 裁判上の保証供託/営業上の保証供託/税法上の担保供託
(3)強制執行のためにする供託(執行供託)
(4)保管のための供託(保管供託)
(5)没取の目的物の供託(没取供託)
法務省のホームページより~

還付と取り戻しは違う

「還付」と「取り戻し」は日常会話では同義でも、法的には異なります。その説明も法務省のホームページにありました。

供託物の払渡請求は,還付請求と取戻請求の2種類があります。
1 還付請求
供託関係に基づく権利者すなわち被供託者からの払渡請求をいい,これにより供託関係は本来の目的を達して終了します。
2 取戻請求
供託後に供託原因が消滅したこと,当該供託が無効であること等による供託者からの払渡請求をいい,これにより供託関係は本来の目的を達しないまま終了します。
法務省のホームページより~

今回のケースは、供託原因が消滅した手続きでしたので、取り戻しになります。最初はその違いを知らずに「還付」と説明をしたため、法務局の担当者と意思疎通が上手く行かなかったことが結果的には勉強になりました。前置きが長くなりましたが、実際に取り戻しを行った際の手順をまとめます。

供託金の取り戻し手順

1.監督官庁からの取り戻しの許可をとる

取戻しをするための証明書を監督官庁から取得します。資金決済法の場合は、発行保証金取戻承認申請書供託書の写しを(関東)財務局に提出します。取戻しの承認が得られたら、「発行保証金取戻承認書」が(関東)財務局長より発行されますので、財務局まで書類を受け取りに行きます。

2.払渡し請求書を作成する

法務省のHPに供託物の払渡しの請求がありますので、必要事項を記入します。ご丁寧に記載例も用意されていますので、そちらを参考に内容を埋めます。書類への押印は実印を用います。

3.1で取得した承認書と印鑑証明書・謄本を法務局に持っていく

発行保証金取戻承認書、印鑑証明書、登記簿謄本(いずれも3ヶ月以内に取得したもの)を持って法務局に行きます。供託時から本店が移転している場合は、移転の経緯がわかる謄本も必要です。また、返済方法を指定しますが、銀行振込を選ぶと良いでしょう。

4.振り込まれるのを待つ

3の手続き時に「何日頃入金予定です」という紙を渡されますので、入金予定日がきたら確認します。今回の場合は、1日早く入金されており、振込元銀行は「ニチギン ホンテン」となっていました。日銀からの入金にちょっとテンションが上がりました。

5.発行保証金取戻届出書

振込を確認したあとは、資金移動業者に関する内閣府令別紙様式等から発行保証金取戻届出書をダウンロードし、関東財務局長に提出します。添付書類として、登記官が記名捺印した残高証明書も必要になりますので、残高証明申請書を作って法務局に提出します。
残高証明申請書も法務局のサイトにひな形があれば良いのですが、そこまではないようです。FAXでサンプルを送ってもらえますので、参考にして自分で作ります。

まとめ

実際に払戻の手続をしてみて、支払う時は簡素化されていますが、取り戻す時は一苦労という心象です。この辺りがフェアになれば良いのになと感じたのですが、なかなか難しいでしょうね…

このブログは、実務を通じて個人的に学んだ現時点の見解であり、正確性および完全性について保証せず、また責任を負いません。記載内容につきましては、専門家等の意見をもとに自己責任でのご判断をお願いします。
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