早いもので後期の授業がスタートしました。前期はなんとか単位を落とすこと無く終了しましたが、早くも授業の予習復習に追われています。ブログを書いている暇があったら授業の準備をしろという声が聞こえてきそうではありますが、半期の振り返りの意味も込めてこれまでに学んできたことをまとめたいと思います。
ゼミでの研究テーマは今回のエントリーのタイトル通り「組織がイノベーションを起こすために人事は何ができるのか」を中心に進めています。まだまだインプットの段階ではありますが、これまでに調べ、考えたこととして以下の2点があります。
- イノベーションを起こすには「つながり」と「行動」が重要である。
- 真の改革に向けては明確な「ビジョン」の「浸透」が必要である。
イノベーションを起こすには「つながり」と「行動」が重要である
「つながり」と「行動」というミーシーではない2軸での表現ではありますが、自分の中では一番熱いテーマです。つながりとは、まさに人と人とのつながりを指していますが、つながりにも2つの要素があります。それは「弱いつながり」と「強いつながり」です。
「弱いつながり」による多様な接点(組織外やプライベートを含みます)を元にイノベーションの種を生み出し、組織内の「強いつながり」により実現に向けてドライブする。また、成果を導くためには、「行動」を起こす必要があるという話に続きます。
「行動」がなぜ大切かですが、答えは自分の中ではなくそれを利用するDMU*1にあるという考えから導かれています。環境の変化が早い現代においては、計画主義型のPDCAサイクルではなく、行動主義型のDo→Learn→Prototypeへのシフトが求められており、特にインターネット業界においてはABテストという手法で実用化されています。DMUの行動を調べるには実際に利用してもらうことが一番であり、よりユーザーが満足した成果を正とする考え方です。
よって、実行し、学習し、プロトタイプを素早く作り、グルグルと速いサイクルで回すことがより良いサービスや製品開発につながり、ひいてはイノベーションにつながると考えています。
真の改革に向けては明確な「ビジョン」の「浸透」が必要である
組織は、目的がない組織と目的がある組織の2つに分けることができます。目的がない組織の例としては家族です。家族は生まれながらに形成されます。一方で目的のある組織の例は企業です。企業はある特定の目的を持ったメンバーが集まり形成されます。その目的を明確にするために大切なものが「ビジョン」です。
「ビジョン」の無い組織は、何のために存在するのか、何のために集まっているのかが曖昧になります。短期的にはそれでも良いかもしれませんが、中長期的な組織の成長のためには「ビジョン」は欠かせません。ビジョンを通じて組織の一体感や本質的な価値を実感することができるからです。
また、その「ビジョン」は掲げているだけでは意味がありません。メンバー全員に浸透し、共通の理念として腹に落ちることで真の価値を発揮します。「ビジョン」に共感し、また、自身のキャリア・アンカーと組織のベクトルが一致することで個人と組織の成長がともに最大化します。結果的にイノベーションが起きると信じています。
人事は何ができるのか
上記を実現するために「採用」・「研修」・「人事制度」・「組織開発」という打ち手に落とし込みます。組織の理想の姿はどのようなものか、現状はどうか、理想と現状を埋めるための打ち手は何が最適か、といったことを考え、実行するのが役割です。
的確な打ち手を実行するためには、それぞれのツールを熟知する必要があります。「勝てる採用の戦い方」、「有効な研修や教育とはなにか」、「評価・報酬・等級の考え方」、「組織マネジメントの本質」を継続的に学び続けることが求められます。常に外部環境は変化し続けるからです。
自らの知識を陳腐化させることで自身の成長につなげ、知的資本というツールを使って組織の理想に向けて情熱を捧げることが人事の仕事の本質と捉えています。
まとめ
半年前には見えていないこともだいぶ見えるようになったとは思う一方、まだまだ見えていないことが沢山あるとも思っています。当初は1年で卒業しようと思っていましたが、2年間じっくりと勉強し、自分を成長させ、組織の成長に向けて貢献できればと考えています。
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参考資料
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*1:Decision Making Unit