中小企業を極める

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「組織のあるべき姿」(組織文化)とは何か

先日、理念、ビジョン、クレドについて経営メンバーで考える機会がありました。ただ、会の冒頭で詰まったのが、そもそも理念、ビジョン、クレドと「組織のあるべき姿」の関係についてです。以前のMTGで組織のあるべき姿を定めていたのですが、理念、ビジョン、クレドに対してどのように位置づければよいかが整理されていませんでした。(整理されていたと思っていたのが、しっかり共通に認識になっていなかったのです。)
一般的に、理念(ミッション)、ビジョン、クレド(バリューズ)は以下のように整理されます。

  • 理念(ミッション)
    • 企業の存在目的
  • ビジョン
    • 中長期の目指す姿
  • クレド(バリューズ)
    • 共通する前提、価値観、行動指針を言語化したもの。信条。

それでは、「組織のあるべき姿」はこの3つとどのような関係性なのでしょうか。良い機会ですので、理念(ミッション)、ビジョン、クレド(バリューズ)とも異なる「組織のあるべき姿」とは何なのか、探求してみました。

組織のあるべき姿とは

私は「組織のあるべき姿」は「組織文化」とほぼイコールとみなしています。なぜかというと「状態」で表現できるものだからです。そこで「組織文化」について調べました。DHBR2018年5月号の「変革は企業文化に従う」による、文化の定義です。

文化とは、組織に関わる暗黙の社会秩序である。それによって多様な意識や行動が形成され、息長く存続するのだ。集団において何が奨励、阻害、受容、拒絶の対象になるかを左右するのは、文化的規範である。文化は、個人の理念、欲求、ニーズとうまく整合した場合、共通の目的の達成に向けてとてつもない熱量を引き出し、繁栄に必要な力を組織に与えることができる。
そのうえ文化は、機会や需要の変化に合わせて、臨機応変に自律的な進化を遂げる。戦略は一般に、経営の最上層部で決定されるが、文化はトップリーダーの意図と最前線の従業員の知識や経験を融和する力を持つ。

以上の定義から、考えるポイントを2つに絞りました。

  • 組織に関わる「暗黙の」社会秩序
  • トップリーダーの意図と最前線の従業員の知識や経験を融和する

組織に関わる「暗黙の」社会秩序

「暗黙の」社会秩序ということから言語化しづらいものであると解釈しました。理念やビジョン、クレドのように言語化できるものではなく、そこから生まれる目に見えないものと理解しました。ムードや感情のように組織の状態を情緒的に表現したものであり、雰囲気や流れのようなものとも言えそうです。ルール化された規則とは異なり、一人ひとりの言動から培われるものと思います。

トップリーダーの意図と最前線の従業員の知識や経験を融和する

トップリーダーの意図と従業員の知識や経験を融和するということは、経営の意思決定だけで醸成されるものではなく、現場からの言動も影響を与えるということです。すなわち、経営の理想と現場の現状が相互影響しながら築かれるものと理解しました。これはとても大事なことで、経営の意思決定のみで変えられるものではなく、現場と協調しながら発展していくものと思います。

まとめ

以上を踏まえた自分なりの整理が下の図です。
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ミッション、ビジョン、クレドで表現(言語化)されるのは右側象限であり、個人の価値観や組織文化など見えづらいものが左側象限になると思います。ミッション、ビジョン、クレドは大事ですが、それと同じくらい左側象限に属する「組織文化」も大事ということで整理がつきました。

一般的に事業計画を立てるとき、ミッション、ビジョンから入り、中長期の計画に落とし込みます。このように経営計画や目標などで規定されるのは定量化された見えやすいものです。一方で、組織文化は、見えづらい内面的なものだからこそ、ミッション、ビジョン、クレドの浸透などを通じて発展させていく必要性があります。定量的なものばかりを管理するのではなく、見えづらいものをどれだけ大切に扱えるかが、これからの組織の価値を決めるものだと思います。