組織を極める

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「ちょめちょめ型組織」をめざした組織開発は可能か

今日は週に一度の定時帰宅日です。子どもたちとの約束のため、早めに帰ってご飯を食べました。21時まで一緒に遊んで子どもたちが寝た後にお風呂に入ります。風呂掃除を終えて、23時までが僕の時間です。

というわけで、少し時間があるので先日気になったこちらの問いに対して自分の考えをまとめます。
www.nakahara-lab.net

「ちょめちょめ型組織」をめざした組織開発は可能か

社会人大学院での研究テーマはまさに組織開発でした。2年間の学生生活を経て自分なりの答えを導き出したのは、不確実性が高く、事業環境への影響度が低い環境では「試行錯誤型組織」が適しているということです。ということで、結論から言うと、僕の考えは「ちょめちょめ型組織」をめざした組織開発は可能ということです。

なぜ「ちょめちょめ型組織」を目指すのか

僕が先行研究で学ばせて頂いたもののうち、ベースとなっているのは以下の2つです。

  • チャンドラーの「Strategy and Structure」
  • マーティン・リーブスの「戦略パレット」

チャンドラーは「組織は戦略に従うのではなく戦略はすぐに変えられるが、組織はすぐに変えられないので、変化をするための準備が常に必要である」と言っています。また、マーティン・リーブスは事業環境の不確実性と企業群が環境に与える影響度の2軸でどのような戦い方をすべきかを定めました。
以上から、事業環境や自社の影響度に応じて最適な戦略は導き出せるため、その戦略遂行に合わせた組織を目指すことが必要となります。

なぜ「戦略パレット」の考え方は優れているか

これはゼミの教授*1から学んだことですが、戦略パレットの考え方は従来の戦略論と比較して抽象度が高いという特徴があります。そのため、変化に時間がかかる組織戦略との相性がよく、戦略に適した組織を目指すことが出来ます。一般的に戦略は意思決定の問題なのですぐに変えられるのですが、戦略パレットの考え方を適用することでコロコロ変えずに済むのです。組織の変化は時間がかかりますが、戦略に合わせた組織開発を行うことが可能なのです。

まとめ

自社の組織戦略にもこの考え方を応用しています。既存事業と新規事業で必要なケイパビリティは異なるため、それぞれに適した組織が求められます。入社して1年、試行錯誤型組織のベースは出来つつあると思います。今年は本番の年。さらにアクセルを踏んで理想の組織を目指します。