組織を極める

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「働き方改革を概観する」というテーマの講演に行ってきました

「働き方改革を概観する」というテーマの講演に行ってきました。日本総研の山田久さんが講師で、以下の3点がメインのお話しでした。

テーマ

1.「働き方改革」の背景と概要
2.働き方改革をどう捉えるか
3.ハイブリッド・システムのビジョンと新たな労使自治の形

私は時間がなく、1番目のテーマの途中まで聞くことが出来ましたが、講演の内容と考えたことをまとめます。

働き方改革とは

アベノミクスの成否を左右する賃上げの成果を表出化するために、「生産性向上」と「賃上げ」の好循環を目指した。これが政府主導の「働き方改革」の当初の狙いとのことでした。一方で、企業業績の改善はなされたが、労働条件の改善を図る必要性が高まったもとで過重労働問題に世の中の関心が集中。結果、「働き方改革の重点が労働条件の改善にシフトすることになったとのことでした。
その中で今回の目玉は2点で「同一労働同一賃金」と「労働時間帰省見直し(残業時間規制見直し)」とのことです。

欧州型の働き方と日本の働き方の違い

欧州の短い労働時間の前提には以下の2点が整備されている前提があるとのことでした。

  • 学校教育など企業外部に実務能力が習得できる仕組みが組み込まれていること
  • 不採算事業の縮小・撤退にともなう人員整理を社会に過度なストレスを与えずに実施できる仕組みが整備されていること

例えば、ドイツのデュアルシステムや雇用調整の仕組みがやりやすいということです。また、同一労働同一賃金については、職種別・技能レベル別の賃金相場が存在しているため、個社ではなく業種横断的に取り組みやすいとのことでした。

罰則付きの時間外労働の上限規制の方針

労使協定を結ぶ場合でも、年間720時間(月平均60時間)に時間外労働時間は抑える必要があり、うち、以下の3つの例外があるとのことでした。

  • 休日労働を含み2か月ないし6か月の平均で80時間以内
  • 休日労働を含み単月で100時間未満
  • 時間外労働の限度の原則(月45時間)を上回れるのは年6回まで。

また、成果重視型の人材を増やすための仕組みとして以下の3点を設けたとのことでした。

講演を聞いて考えたこと

講演の一部しか聞いていない中ではありますが、そもそもの問題は、変化に時間のかかるソフト(スキル、文化、組織スタイル、共有する価値観)を差し置き、急にハード(制度)の改善を図ろうとしていることではないでしょうか。今回の目玉は「同一労働同一賃金」とのことでしたが、肉体労働から知的労働が増えてきた中で、「同一労働」などあるのかなと思います。周りを見渡せば同じ職種であってもやっていることは違いますよね。

また、「労働時間」に関しても「労働時間」にフォーカスすることに何の価値があるのでしょうか。本当にやりたいことであれば自ら考えてやりますし、休みたければ休む、それを社員の裁量に委ねて自分で働く時間を決めてもらえばよいだけだと思います。

生産性をアウトプットとインプットに分解すると、インプットが労働時間としていることに問題があると思います。インプットは個人のスキル・能力であり、アウトプットが組織の成果と考えると、労使の対立概念がなくなるのになと思います。労働時間の対価として報酬をもらうという、「使用者が上で労働者が下」という関係性を見直すことではないでしょうか。個人的には会社が強く、労働者が弱いという時代は既に終わっていると考えています。

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