組織を極める

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「さらさ」と「レノア」から見たP&Gの強さ

ここのところ組織、人事ネタが多かったので、ビジネス視点でまとめます。

子どもが大きくなってきたので、これまで使っていた柔軟剤「さらさ」*1をやめ、「レノア」を購入しました。

2つの容器を並べて初めて気づいたのですが、2つは全く同じ容器で色が違っているだけなのですよね。プロダクトデザインが一緒にも関わらず、ブランドイメージが異なるため、今まで同じ容器とは気づきませんでした。また、同じP&Gさんの製品とも知りませんでした。
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表と裏のシールの大きさも統一されており、デザインだけでブランドコンセプトを見事に伝えています。裏面の使用量の目安を確認したところ、当たり前ですが水量に対して必要な柔軟剤の量は両者で一緒でした。
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ここで考えたのですが、これってかなりすごいことではないかということです。

柔軟剤のコスト構造を詳しく調べたわけではないですが、ざっと考えてみても以下の点が考えられます。

このうち他社と差別化でき、規模の経済が効くポイントは、容器の製造コストです。異なるブランドでも同一の容器とすることで、原価低減を図っていることがわかります。一見簡単なようですが、これを実現するには、異なる2つのブランドにおける濃度や効果も統一する必要があり、柔軟剤そのものの開発段階から製造工程まで横断したブランドを一貫して管理する必要があります。そこまでして初めてできることなんだと考えました。

ちなみに花王さんのサイトを拝見したところ、ハミングとフレアフレグランスでは容器が異なっていました。容器だけを統一すれば解決する問題ではないことがわかります。


たまたま気づいた今回のことからもビジネスってやっぱり面白いなと思いました。こういう戦い方ができる会社が持続可能な成長を遂げることができるのでしょう。子どもの成長のお陰で、また一つ考えることができました。



私が働くオズビジョンでは、イノベーションを一緒に起こす仲間を募集しています。
www.oz-vision.co.jp

*1:赤ちゃんにも使える柔軟剤として子育て世代には人気を博しています。