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中小企業を極める

人事・総務・法務・財務・社内システムの各分野において、中小企業診断士の視点から役立つ情報を発信します

知性と成果の相関から考える組織開発の効果測定

人事 組織開発

なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践」をいまさらながら読みました。購入したのは昨年の4月だったと思うので、かれこれ1年の積読です。個人及びグループ内の能力開発や変革に関する内容で、今の自分には良いタイミングだったとポジティブに捉えています。

私が一番印象的だったことは「知性*1は何歳になっても高めることができる」ということです。「知性の段階ごとの主体客体関係」という図においては、時間に応じて3段階で知性を高めることができるとされていました。もちろん、時間が経てば誰でも知性を高めることができるということではなく、個人の成長が必要にはなりますが。

以下、私なりの解釈で3段階の知性をまとめたいと思います。

知性に関する3段階

1.環境順応型知性

第1の段階では、周囲に対して自分がどのように貢献をできるのか、ということを中心に考えます。所属する組織の価値基準に照らして判断するという段階です。自らの行動のためには、第三者のものさしが必要というレベルです。

2.自己主導型知性

第2段階になると、自らの価値基準を構築します。このレベルに到達すると、自らを律して主体的に行動できるようになります。自らの信念に基づき、リーダーシップを発揮します。

3.自己変容型知性

第3段階に到達すると、自らを正しいと信じつつも、自らの限界にも気づくようになります。真の正解を導くためには、自らの仮説を修正することを厭わないというレベルです。時には自らを客観視し、矛盾や反対を受け入れることができるようになります。


続いて面白かったのは、これらの知性の段階とビジネスにおける成果には相関があるという事実です。2つの異なる測定方法により結果が一致したとのことですので、信頼すべき結果と思います。有名企業のリーダーを対象にした調査においては、自己主導型の知性を身に着けている方は約5割にとどまり、自己変容型の知性となると1%しか存在しないということです。これは感慨深いですね…


もう一つ。知性のレベルは行動にも影響を及ぼし、知性は測定可能ということです。これは、組織開発の効果測定のヒントになりました。人間を測るには「行動を測る」ということに間違いはなさそうで、さらに「知性」の軸で分類ができそうです。組織全体の知性を測ることができれば、ケイパビリティを定量化できるかもしれないなぁと妄想しております。引き続き頑張ります!



P.S.
この本のメインのテーマは、タイトルの通り人と組織が変われない理由を明確にした上で「いかにして組織を変革するか」です。そのメカニズムは事例を含めて本文に詳細に掲載されています。私の興味関心は、知性の測定にフォーカスされていますが、多くの部分は個人やチームの変革に関する内容であることを補足させて頂きます。

このブログは、実務を通じて個人的に学んだ現時点の見解であり、正確性および完全性について保証せず、また責任を負いません。記載内容につきましては、専門家等の意見をもとに自己責任でのご判断をお願いします。
見識の違い等、お気づきの点がありましたら、フィードバック頂ければ幸いです。

*1:知能ではなく、「知性」です。念のため。