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人事・総務を極める

人事・総務・法務分野において、実務家の視点から役立つ情報を発信します

経営戦略と人事戦略のつながり 試行錯誤型組織開発について

組織開発

今日のゼミで、なんとなく光明が見えそうになったので、忘れないうちにブログに残します。

先行研究をもとに組織開発の歴史をまとめたのが以下の図*1です。
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マネジメントの7要因をまとめた図ですが、かつては、「組織開発」(ソフト)と「組織変革」(ハード)は相互に作用するものの、別の概念で捉えられていました。ちなみに現在では、ソフトに加えてハードも組織開発の領域と広義に捉えることが一般的です。そして、ソフトの4つとハードの3つを足した7つがマッキンゼーが提唱した7Sなのですね。今日までそこにつながらなかった自分に反省です…

さて、ゼミの中で、ソフトの4Sは短期的に変えることが難しいため長期の視点が大事であり、ハードの3Sは意思決定により短期に変えることもできる。ただし、ハードを急激に変えたとしてもソフトがついてこないと撃沈するよね、という話になりました。これは「組織は戦略に従う」でチャンドラーが言っていると同じく、組織は戦略に従うのではなく戦略はすぐに変えられるが、組織はすぐに変えられないので、変化をするための準備が常に必要であるということと一緒です。


前置きが長くなりましたが、今日の議論の発端は、事業単位における組織開発手法が見当たらないのはなぜか、という切り口でした。詳細は前回のブログをご確認ください。
tapir320.hatenablog.jp


経営戦略のアウトプットとも言える経営計画は、環境変化が速い中で中長期な計画が立てづらくなり、3か年の中期経営計画が主流となっています。一方で、人事戦略における組織開発は長期的に取り組む課題であり、5年、10年といったロードマップが必要になります。経営は5年後なんてわからないという一方で、人事は10年後の人員構成や組織構造を考えることを求められるので、そこに矛盾が生じます。結果的に、経営戦略と人事戦略の時間軸の矛盾から、人事は独立して人事戦略を立てざるを得なくなったのではないか、というアドバイスを頂きました。

そこで待てよと思いました。どこかで見たことがあるぞ…

BCGが出しているなぜ戦略に戦略が必要なのかだ!と。


環境の予測可能性が低く、かつ、企業行動の環境への影響力が低い場合は、アダプティブ戦略が必要になります。また、アダプティブ戦略とは4つのステップ(変異→選定→展開→調整)からなる反復的な学習プロセスが特徴である、とのことです。

ピンときたのは、組織開発のソフト面(の一部)は長期的に醸成する必要がある一方で、その打ち手は試行錯誤型に実行するのが正しいのではないかということです。


人事の仕事をしながら自己矛盾を感じていることは、「人事は人事を中心に考えすぎる」ということです。自分の仕事を中心に考えるのはもちろん当たり前ですが、その前に経営戦略やもっと上位概念の市場環境を考えるべきであるというのが私の考えです。経営戦略としてアダプティブな戦略が求められる以上は、人事もそれに準じるべきではないかと思います。

そして、ソフトの4Sを更に分解すると、変えてはいけない3S*2(管理スタイル・人材・共通の価値観)と、常に変化の準備が必要な1S(技能)に分けることができます。この技能をいかに素早く変化し続けることができるかが、アダプティブ戦略が求められる環境では大事と考えました。それを実現するのが組織開発なのかなと。


人事は上段から構えるのではなく、現場に切り込んでいく必要があります。変えるべきSである技能の変化のきざしをいち早く察知するためにも、人事が主体的に行動を起こすべきです。ひょっとして、組織開発で一番大事なテーマは、メンバーと人事の関係ではないか、とも考えました。このテーマは別途調べたいと思います。


さてさて、探求が尽きることは無いです。これからは「試行錯誤型組織開発」というテーマでもう少し考えてみたいと思います。

このブログは、実務を通じて個人的に学んだ現時点の見解であり、正確性および完全性について保証せず、また責任を負いません。記載内容につきましては、専門家等の意見をもとに自己責任でのご判断をお願いします。
見識の違い等、お気づきの点がありましたら、フィードバック頂ければ幸いです。

*1:http://www.ic.nanzan-u.ac.jp/NINKAN/kanko/pdf/bulletin06/02_01R.pdf 「組織開発(OD)とは何か? 南山大学 中村和彦先生 より作成

*2:この点は、組織によって考え方が違う可能性があります。