中小企業を極める

人事・総務・法務・財務・広報・社内システムの各分野において、中小企業診断士・MBAの視点から役立つ情報を発信します

はてなの組織開発について

こんにちは、人事・総務部id:tapir320です。
この記事ははてなデベロッパーアドベントカレンダー2015の9日目です。昨日は id:cockscomb による Swiftオープンソース化の衝撃 でした。
今回、開発者ではない私が、なぜデベロッパアドベントカレンダーに登場する機会を頂いたかと言いますとid:Songmu

「俺は会社をデベロップしているんだ!」というコーポレートの方も大歓迎です。

という一言のお陰です。

せっかくの機会ですので、会社のデベロップという観点から、はてなの組織開発についてお話をさせて頂きます。

組織開発とは

組織開発という言葉は、人事に携わっていない方にとっては馴染みがないと思います。様々な定義がありますが、私は組織を活性化するためのあらゆる打ち手とみなしています。

人事・総務の業務領域のうち組織開発に関連するものは、「採用」、「教育・研修」、「人事制度」、「社内行事」、「福利厚生」等があります。これらは一体となり、つながりを持つことが大事だと考えています。一つの領域だけに注力するのではなく、有機的につながることで組織の力を2倍・3倍に高めることができると信じています。

はてなの組織開発

「採用」、「教育・研修」、「人事制度」、「社内行事」、「福利厚生」の5項目において、はてなの特徴的な取り組みをご紹介します。

「採用」 〜社員紹介採用の強化〜

最近は既存社員の紹介によりご入社頂くケースが増えていますが、組織開発の視点でも大事なことだと考えています。自分自身に置き換えるとわかりやすいのですが、自分が満足していない会社に知人を紹介したいとは思わないはずです。従って、紹介による採用が多いということは、既存社員が会社に満足している証と言えます。

一方で、紹介経由で入社した方も安心感があります。気の置けない人が勧める環境であれば、転職という人生の大切な節目において、リスクが小さい保証になるからです。紹介経由の採用が好循環で回り始めると組織力の強化につながることがわかると思います。

もちろん、紹介であればどなたでもご入社頂けるということではなく、残念ながらお断りするケースもあります。ご紹介を頂いた方、また、エントリーを頂いた方には申し訳ないのですが、選考は厳正に進めている旨を補足させて頂きます。

「教育・研修」 〜社内勉強会の開催〜

はてなでは様々な社内勉強会が開催されています。技術やデザインの勉強会は毎週開催されていますし、人事・総務部でも月に1回テーマを設定して勉強会を開催しています。最近は毎週月曜日の定時後に好きな本を読む「モクモク会」という取り組みも生まれました。そして何よりも素晴らしいのは、これらの勉強会が自発的に開催されているということです。(人事・総務部の勉強会は僕がやろうと言い出したのですが…)

他人に強要されて学ぶのではなく、自ら主体的に行動することが真の学習に繋がると思います。フォーマルな組織上の取り組みではなく、インフォーマルなコミュニティによる学びの場が組織力を高めるのです。実践的なコミュニティを生み出す土壌があることがはてなの価値であり、勉強後には寿司を食べる文化も良いと思っています。

「人事制度」 〜評価ではフィードバックを大切に〜

はてなの人事制度はきっちりと設計されています。「成果」「行動」「専門」という3つの視点で定量的・定性的に評価制度を運用します。ただ、忘れてはいけないのは、評価制度は査定のためだけにあるのではなく、個人や組織の成長のためのツールであるということです。現状と目指すべき理想のギャップを埋めるツールが評価制度ですので、目標設定とフィードバックが大事なのです。

はてなの組織体系は、サービスごとのラインと職種ごとのラインがマトリックス型のように構成されています。そのため、サービスの上長と職種の上長の2系統からフィードバックを得ることができます。このような仕組みは手厚さという面では素晴らしいのですが、一方で時間がかかるというデメリットもあります。効果と労力はトレードオフとも言えますが、さらによい制度にするためには見直しが必要かもしれません。

「社内行事」 〜半期に一度の全社納会〜

普段は京都・東京(愛知・宮城のリモート勤務の方もいます)に分かれて働いていますが、半年に一度は全社員が京都に集合し、納会を開催します。納会では半期の業績の振り返りや新しい期に向けた方針発表がなされます。また、懇親会では全社員の前で「新人賞」「敢闘賞」「社長賞」という3賞の表彰もあります。

テレビ会議、Slack、はてなグループというツールを駆使して業務効率化に取り組んでいますが、リアルに顔を合わせるコミュニケーションも大事です。全社員が一堂に会し、同じ空間で空気を共有することに価値があると思います。半年の頑張りを讃え、また半年頑張ろう!という組織のスイッチを入れるのが納会の役割です。

「福利厚生」 〜まかないランチ

最後はキングオブランチとも言われるまかないランチです。ご存じの方も多いとは思いますが、はてなではお昼になるとまかないが振る舞われ、社員が同じ釜の飯を頂きます。まかないランチの効果は今回のエントリーでは書ききれないほどありますが、一番はコミュニケーションの円滑化につながっていることです。

まかないランチはリフレッシュスペースのランダムな席に座って食べます。職種もバラバラに混ざって食べるため、自然といろいろな人と会話をすることになります。そして、コミュニケーションが円滑になることで社員の関係の質も良くなります。関係の質が良くなれば思考の質が良くなり、思考の質が良くなると行動の質が良くなります。行動の質が良くなると結果の質が良くなるのです。これはダニエル・キム教授がいう組織の好循環モデルを実現している好例です。

まとめとこれからの思い

今回ご紹介した制度から生まれるはてならしさは、はてながコツコツと築き上げてきた文化の賜物です。仮に他社が同じような制度をハードとして仕組み化することはできても、ソフトである組織文化を模倣することは一朝一夕ではできません。

これはサービス開発と一緒だと捉えています。へんな会社だけど真面目な会社でもあるはてなが作ったサービスを、個性豊かなユーザー様に利用し続けて頂くことで成立しているはてなコミュニティと同じなのです。組織もサービスも、仕組みと文化が融合して初めて価値があるのです。

私が入社して3年が経過しましたが、これまでは主に仕組みを整備することを行ってきました。その過程で気をつけていたことは、いかにしてはてなの文化を活かしながら整えていくかということです。

しかし、これからは挑戦をしなければいけません。はてなが日本一、世界一のサービスを生み出し続ける会社になるためには、仕組みも文化も変わらなければいけないこともあると考えています。

具体的には意思決定のスピードを速めることです。以下のエントリーでも書いたとおり、変化の速い環境においては、Do→Learn→Prototypeのプロセスをぐるぐると高速に回すことが求められています。
tapir320.hatenablog.jp
試行錯誤型のプロセスを実践し、実験する能力を高め、失敗への対応力をつけていく必要があります。

そして、組織全体のスピードを上げるためには、人事・総務も変わらなければいけないとも考えています。人事・総務もエンジニアやデザイナーに負けないぐらいの実力をつけなければいけません。自分の専門領域を追求し、世の中に変化を起こし、はてなに関わる全ての人が笑顔であり続けるために、はてなのサービスやカルチャーを愛し、インターネットを良くすることに貢献する、そんな人事・総務が理想の姿です。

外部環境が大きく変化をする中、「変わらなければならないこと」と「変わってはいけないこと」をしっかりと見極め、へんな会社であり続けたいと思います。

はてなでは文化に共感して頂ける仲間を絶賛募集中です!

hatenacorp.jp
hatenacorp.jp

明日は、id:taraoです。お楽しみに!

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