組織を極める

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防災訓練が想定外に勉強になった話

先日マンションの防災訓練がありました。参加者は1年交代で管理組合の理事になっている方々+3世帯という寂しいものでしたが、消防隊員の方もお越しになる本格的なものでした。
正直それほど期待はしていなかったのですが、思っていた以上に勉強になりましたので、総務知識として共有させて頂きます。

1. 消火訓練

はじめは水消火器を使った消火訓練を行いました。

消火器の持ち方

消火器を運ぶ場合、どこを持つのが良いでしょうか。答えはレバーの下の部分です。消化を行うときと同じ持ち方(レバーの上から下に手をかける)で運んでしまうと、思わず力が入ったときに消火器が稼働する恐れがあります。それを避けるためにもレバーの下の部分を持ちましょうとのことでした。

消火器の使い方

ピンを外してレバーを握ることで消火器が稼働します。稼働する時間は15秒とのことで、思っていた以上に短いことを知りました。また、一度レバーを引くと、レバーを戻しても止まることはないそうです。狙いを定めて短時間で勝負する必要があります。

消化の仕方

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火の手に近づきすぎると危ないため、遠くから徐々に近づいていくことが重要とのことです。油火災の場合は、近づきすぎるとはねた油でやけどを負う可能性があるとのことで要注意です。また、もし天井まで火の手が上がった場合は消火器の力では難しいとのことです。119番通報し、速やかに逃げることが大切との指導がありました。

2. 通報訓練

119に電話をしたことはなかったので、どのようなフローでやりとりがなされるのかを学びました。

火事か救急かを伝える

119に電話をする場合は、まず、火事か救急かを伝えて欲しいとのことです。次に住所を伝えます。住所は○○区○丁目○番○号というように丁目、番、号で表現するのが良いとのことです。理由は、住所によっては番地がないケースがあるためとのことでした。また、番地が伝わった時点で最寄りの消防署等に通知がされるそうです。一分一秒を争う仕組みが確立されていることを知りました。
続いて内容を伝えるのですが、動揺していると正しく伝わらないこともあります。電話オペレーターの方が誘導してくれるので落ち着いて話して欲しいとのことでした。

住所がわからないとき

屋外で人が倒れたケース等、住所がわからないことがあります。その場合は、電信柱で調べることや近くの家や店舗で住所を教えてもらうこと、また、自動販売機に書いてあることもあるのでそれらを利用するとのアドバイスがありました。自動販売機から住所を調べることは目からうろこでした。

3. 救命訓練

救命訓練は心臓マッサージとAEDの使い方を学びました。昔の知識とは異なっていたので、大変勉強になりました。

救命方法

1) 声がけ&呼吸の確認

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倒れている人がいた場合、まずは声がけをします。鎖骨のあたりを叩き「大丈夫ですか?」と尋ねます。鎖骨を叩く理由は、体に一番振動が響くからとのことです。次に呼吸を確認します。口元に耳を近づけ呼吸の有無を確認します。

2) 119通報&AEDを探す

意識が戻らない場合は、119番通報と同時にAEDを探してもらいます。身近にいる人に指示を出し、119に通報する人、AEDを探す人と役割を明確化します。はっきりと指示を出し、速やかに動いてもらうことがポイントとのことです。

3) 心臓マッサージ(人工呼吸はやらない)

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その間、心臓マッサージを絶え間なく行います。手の位置は胸の中央あたりで、両膝を立て、手を真っ直ぐに伸ばします。心臓マッサージのペースは1分間に100回でちょうどアンパンマンマーチのテンポと同じくらいとのことでした。目的は脳に酸素を絶え間なく供給することです。体力勝負になりますが、救命隊員の到着まで必ず行って欲しいとのことでした。
また、人工呼吸は感染症のリスクが有るため、最近はおすすめしないとのことです。自動車教習所の研修で習った頃とは時代も変わっているのだなぁと思いました。

その他のポイント

血液には絶対に触らないこと、だそうです。人工呼吸と同様に感染症のリスクが高いためとのことでした。また、呼吸をしていても心臓マッサージを行って良いとのことです。理由は心臓マッサージをしているうちに意識が回復することがあるためとのことです。

AEDの使い方

1. パッドを体に張る

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  • 心臓を挟む位置に貼る。
  • 子供の場合は胸と背中に貼っても良い。
    • 子供用のパッドも同梱されているのでそちらを使う。
  • 女性の場合は、下着を外す。
    • うまく稼働しなかったり、局所やけどを負う危険性があるため。
2. パッドの電極を本体に指し電源を入れる
  • 電源を入れるとAEDが現状解析を行う。
  • ショックが必要な場合は、AEDが音声で通知するので、指示を待つ。
3. ショックを与える
  • ショックを与える場合は、必ず患者から離れる。
  • ショックが終わったら再び心臓マッサージを続ける。

まとめ

3.11の時もそうでしたが、緊急事態は突然起こります。いざという時のためにこのようなことを学んでおくのは重要だと思いました。訓練とはいえ大変勉強になった良い機会でした。