組織を極める

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労働保険の年度更新で学んだこと

労働保険の年度更新に向けての準備は進んでいますでしょうか?

年度更新の申告・納付期限は数年前に毎年5月から7月10日へと改正されましたが、当社の年度更新手続は無事終了しました。というのも、労働保険事務組合に委託している関係で、早めに対応する必要があったのです。
今回労働保険の年度更新を行い、新しく学んだことがありましたので共有させて頂きます。

労働保険の算定期間

労働保険の算定期間をご存知ですか?税金であれば、1月から12月の支払(受給)ベースで計算します。しかし、労働保険は報酬を支払った期間ではなく、労働を行った期間に対して算定します。
つまり、給与が末締め翌月25日の支払サイトであれば、報酬を受け取る期間と算定期間に1ヶ月のずれが生じます。労働保険の申告は4月から翌年3月が年度の区切りですので、4月~翌年3月に支払が確定した額、すなわち、5/25から4/25に支払った額で算定する必要があるのです。当社のようにアルバイトさんと社員の給与締めが異なる場合は注意が必要です。
さらに社会保険の算定基礎は支給ベースで算出することも混乱を招く要因ですね…

税との違い

労働保険に含まれるもの / 含まれないものを意識していますか?
通勤交通費は非課税交通費を含めて労働保険に含まれることは常識ですが、細かいところで税金との違いがあります。
税に含まれるが労働保険に含まれないものの一例を上げると、レクリエーションの一環で受け取る金一封があります。所得ではあるが、労働の対価ではないということです。厚生労働省早見表を例示していますので、是非一度ご確認下さい。

労働保険の区分をわかりやすくするためにも対象になるもの / ならないものは支給項目を分けるにつきると思います。税区分(例えば課税通勤費と非課税通勤費)は分けても、労働保険の対象になる/ならないは、一つの項目にまとめがちです。

労働保険(社会保険)の対象になる/ならないを厳密に理解することが大切ですね。

労災の特別加入

取締役であっても労災保険の特別加入ができることを、恥ずかしながら転職して初めて知りました。中小企業の特例なのですが、中小企業を経営する事業主は労災保険に加入できるのです。(中小企業の定義は、中小企業基本法に則っているはずです。)
また、平和25年9月より、給付基礎日額の上限が変更され、最大25,000円までとなりました。こういう地味な法改正は見落としがちですので、社労士等の専門家によるアドバイスが欠かせません。

まとめ

多くの企業では6月から7月にかけて労働保険の年度更新を行うと思います。少しでも参考になりましたら幸いです。

このブログは、実務を通じて個人的に学んだ現時点の見解であり、正確性および完全性について保証せず、また責任を負いません。記載内容につきましては、専門家等の意見をもとに自己責任でのご判断をお願いします。
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