以前、選択制確定拠出年金を導入することになったとのエントリーを上げましたが、昨日は実際にどのように資産を運用していくのかというセミナーを社内で開催しました。講師は外部の専門家である株式会社ファーストプレイスの小林社長にお願いしました。株や投資信託の取引を行なっている方にも大変有益な情報と思います。
投資の基礎知識
単利と複利
- 単利
- 単利は元本100万円に対して5%の利息が毎年もらえるもの。イメージは銀行預金。
- 30年間預けると100万円×5%=5万円が29回分もらえる
- 元本と利息を合わせて30年後 2,450,000円もらえる。
- 複利
- 100万円を5%の利息で預ける複利の金融商品を例とすると
- 1年目は100万円×5%=105万円もらえる。
- 2年目は105万円×5%=1,102,500円もらえる
- 30年間預けると4,116,136円となる!
株式とは
- 企業が発行する出資証券のこと。投資家は2つの仕組みで利益を得る。
- 投資家が出資したお金に対して配当金を返す。(発行市場)
- 投資家同士で売買をし、値上がり益を得る。(流通市場)
債券とは
- 国、地方公共団体、民間企業等(発行体)が資金を借り入れる際に投資家に発行する「借用証書」のこと。
- 投資家はお金を貸して利息を得ることができる。
投資信託とは
資産形成の中の敵と味方
インフレとは
- 年月を経て物価が上がること
- JR初乗りで行くと1975年は60円 → 2005年は130円となった。
- 2%のインフレで100万円の価値は30年後にどうなるか。
- 現在の100万円は、55万円の価値になる。
- 長期投資で気をつけるべきはインフレ。
- 1952年1月から2011年12月の59年間でみると、定期預金は約3%の運用益。一方、インフレも3%なので、実質的には得をしていない。
アセットアロケーションとは
- 分散投資という意味。
- リスクを回避しつつ安定したリターンを獲得することを目的にどのような割合で投資するかを決定する「資産配分」を意味する。
- 異なる資産を組み合わせることで、お互いの動きが相殺され、リターンは安定する。
分散投資について
債券と株式の特徴
- 投資する先として「株式」、「債券」、「不動産」、「金」…があるが、一般的には「株式」と「債券」
- また、「国内」、「海外」という切り口もある。
- 「国内株式」、「海外株式」、「国内債券」、「海外債券」の4つの視点で考える。
国内株式による運用(1年間)
- 投資の世界で「リスク」とは上がったり、下がったりするブレ幅のこと。
- 1970年は107%の上昇。一方、1990年(バブル)、2010年(リーマン・ショック)は40%ぐらいの下落があった。
外国株式による運用(1年間)
- 外国とは、日本を除く世界の先進国のこと。
- 外国株も2010年は約50%の下落がある。さらに為替リスクも勘案すると国内よりもリスクが大きい。
国内債券による運用(1年間)
- リスクは株式に比べて小さい。
- リターンも小さいということ。
外国債券による運用(1年間)
- 日本の債券に比べてリスクが大きい。
- 理由は、為替リスクがあるため。円高で資産が目減りし、円安で資産が増加する。
4資産均等保有による運用(1年間)
- すべてを25%ずつもつと、ブレ幅(リスク)が軽減される。
- リターンも安定する。が、やっぱりマイナスもある。
4資産均等保有による運用(5年間、10年間)
- 5年間保有すると、マイナスが小さくなる。
- 10年間保有すると、過去のデータにはなるが元本が割れたことはない。
何が運用資産の利回りに影響を与えたと思いますか。という質問をしたところ…
- タイミングが良かったといった人は1.8%
- タイミング投資はハイリスク、ハイリターンとなる。
- 銘柄が良かったという人は4.6%
- 資産配分と答えたは91.5%!
資産配分の決定方法
- 保有期間で考える
- 長い期間で運用する場合は、株式を多め、債券を少なめにしても良い。
- リターンの目標で考える
- リターンを多くする場合は、株式を多め、債券を少なめとなる。
- リスクの許容度で考える(最優先にすべき)
- 元本割れにどこまで耐えることができるか。元本割れても良い場合は株式を多め、債券を少なめとなる。
投資をスタートした後にやるべきこと
リバランスとは
- 当初定めた資産配分比率は資産クラスの値動きにより変化するため、変化した配分を当初の配分に戻すこと。
- リバランスしない、毎月する、3年に1回するで比較すると、リバランスをしないよりもリバランスをするほうが効果がある実績あり!
- リバランスするのタイミングのおすすめは定期型
- 3年に1回すると、リターンが大きく、リスクも小さくなることが実績としてあり。
- ただ、3年に1回だと忘れてしまうので、1年に1回リバランスをすることがおすすめ。
リアロケーションとは
- 投資のゴールが近づくにつれ、株式の比率を低くし、債券の比率を高めること。
- また、投資の勉強ができてきたのでリスクを高くし株式の比率を高めることも可能。