組織を極める

組織や人に関することが好きなので情報発信します

オズビジョンの組織開発について

今日のエントリーは、ozvision Advent Calendar 2017の19日目の記事です。今年からエンジニアの慣習であるアドベントカレンダーの取り組みを自社でも実施しようということで、エンジニアではない私も枠を1日頂きました。
ちなみに前職のはてなでも同様のタイトルで記事を書いたことがありますので、よろしければご参照下さい。今回はオズビジョンに転職して9か月で実施した施策やその背景、成果についてまとめたいと思います。

組織開発とは

2年前のエントリーにも書きましたが、改めて組織開発とは何かです。人事以外の職種の方には聞きなれない言葉と思いますが、私は「組織をチームとして活性化するためのあらゆる打ち手」と解釈しています。2年前の定義から変化したことは「チームとして」を加えたことです。そのほうが人材開発との違いの観点でより明確になると思っています。また、組織開発という言葉を使っていますが、何かを生み出すことではなく、発展・成長していくことが目的です。

組織を活性化する手段は、「採用」「教育・研修」「人事制度(等級、評価、報酬)」「代謝」があり、これらを統合的にマネージするのが「HRM」(Human Resource Management)です。そして、組織開発(Organization Development)は「HRM」を人単位ではなく、組織(チームや部など)単位で行うものと理解頂ければと思います。

オズビジョンの組織開発

入社してから大きく分けて「組織戦略」、「採用」、「人事制度」、「教育・研修」、「HRM」の5つのことに取り組んできました。なぜ、このような取り組みをしてきたのかをお話します。

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組織戦略

入社してすぐに取り組んだことは、3か年の組織戦略の策定です。「組織は戦略に従う(Strategy and Structure)」の通り、組織は戦略に従うのではなく、戦略と相互に連携した組織を実現することが目的です。そのために、オズビジョンが目指すビジョンを理解し、ビジョン実現に向けた組織とは何かを考えました。
一つの解として見出したのは、「持続的な成長」と「試行錯誤を繰り返す」2つの組織を共存共栄させることです。オズビジョンは既存事業のハピタスの成長と新規事業の非連続的な成長の2つをビジョンに掲げています。そのためには2つの異なる事業特性において、両者の組織にマッチする組織の強みを伸ばしていくことが必要です。この2つの違いを明確にする一方で、共有する価値観もおざなりにしてはいけません。会社全体で大切にすることと、組織ごとに分けることを決めたことが最初のステップでした。

人事制度

私が入社する以前から進んでいたプロジェクトではありますが、人事制度の改定を行ないました。これから組織が成長していくにあたって必要になる期待役割を再設計し、役割等級表をアップデートしました。人事制度の目的は評価・査定にあるのではなく、組織の目指すべきビジョンから必要になる個の能力をブレークダウンし、個人の強み・スキルと組織のビジョンのベクトルを一致させることです。その結果、評価というフィードバックを通じて、良かった点、改善すべき点が分かることが本質だと考えています。

組織戦略が変われば、人事制度も見直す必要があり、そのつながりが大切だと考えています。今回の制度改定の一番の特徴は、マネジメントに強みを持つ人と、専門性に強みを持つ人を等しく評価すると明確にしたことです。イノベーションの実現に向けては、エンジニアやデザイナーなどの専門職種における知識・スキルの向上は必須です。マネジメントラインだけが重用されるのではなく、スペシャリストも大切というメッセージが明確になったと思います。

採用

オズビジョンに入社して驚いたことは採用基準の厳しさです。われわれのような40名程度の組織では、一人ひとりが組織に及ぼす影響がとてつもなく大きいです。そのため、オズビジョンの理念や価値観に共感し、また、自らも本気で自己実現を目指している方とご一緒したいと考えています。

新卒採用、中途採用ともに取り組んできましたが、中でも成果が出たのが韓国で開催したオズビジョン単独開催の採用イベントでした。上期の採用目標が達成していない中、韓国採用を選択した理由は大きく3点あります。

  • 新卒、中途を一日で選考できること
  • 韓国の採用市場が冷え込んでおり(大卒内定率が40%)、優秀層に出会えると考えたこと
  • ブラインドレジュメの段階で日本語力が高く、即戦力として期待できたこと

結果、新卒2名、中途1名を採用することが出来ました。年明けには新しいメンバーも増えますので、どのような変化が起きるのか楽しみです。

教育・研修

教育・研修における一番の課題は「次世代リーダーの育成」と置きました。その理由は、今後4年間で社員数を倍増(40名を80名に)する計画の中、既存社員が中核人材となり組織を牽引していく必要があるためです。そのために次期リーダー候補に対して、マネジメントやリーダーシップの基本となる研修を行っています。

CHAIN-SSS(CHAIN Suport System Standard)と名付けたこの研修は、まさにCHAIN(チャレンジ&イノベーション)に向けた次世代リーダーを支援する仕組みです。私が社会人大学院で学んだリーダーシップ論に加え、会社の戦略を考える戦略チームメンバーにも1コマずつ持ってもらい、マネージャーとして大切な考え方を共有しています。

リーダー育成にはリーダーになる前のプレビューとリーダーになった後のフォローアップが必要で、リーダーになる前後1年のうちに実施しないと価値が無いと科学的に証明されています。そのような背景から将来的な組織成長の土台を築くための取り組みとして、今期からスタートしています。

HRM

最後にHRMですが、組織の現状を客観的かつ定量的に測定する仕組みとして、リンクアンドモチベーションさんのモチベーションクラウドを導入しました。3か月に一度の全体サーベイや1か月毎のフォーカスサーベイという仕組みにより、組織の状態を継続的に定点観測しています。組織の成功循環モデルで言われているとおり、関係の質の改善が思考の質を高め、結果、行動の質が変わり、成果につながります。組織課題に対してPDCAサイクルを回すことで、成果創出に向けた前提条件である関係の質を高めていくことが目的です。

私もマネージャーの1人として自部門の状態が可視化されることは、非常に助かっています。期待と満足のギャップから何が足りていて何が不足しているかがわかることで改善点が絞り込まれるためです。組織全体の成果を高めるため、今後も継続的に利用させていただきたいと考えています。

まとめ

以上の通り駆け抜けてきた9か月間ではありますが、やっと戦いに向けた準備が整ったという感じです。今は上記5つの観点の中でも特に「採用」に注力しています。採用はHRメンバーだけの取り組みではなく、組織の成長に向けた経営課題と位置付けています。今日このブログも2019年の新卒採用イベントに参加するための飛行機の中で書いています。前述の通り韓国採用も実施しましたが、来年の2月にはベトナムでのインターンイベントも実施する予定です。

日本のみならず、世界中の挑戦したい人との出会いを求めていますので、オズビジョンに興味をお持ちいただいた方はぜひお気軽にご連絡下さい。オズビジョンの文化に共感し、自分の人生の可能性を最大限に発揮したい方からのご連絡をお待ちしています!

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新しい会社のつくり方(Day 2)

以前、会社の設立準備をしているというエントリーを書きました。なんとか無事に設立でき、新会社の営業を開始しています。はじめて会社の設立を行ったのですが、Freeeさんが提供する「会社設立Freee」を利用させていただきました。
前提知識がなくても、非常に簡単に手続きができましたが、実際にやってみた中で抑えるべきポイントを共有します。

流れ

大きなステップは以下のとおりです。

  1. 社名、会社の目的、設立時取締役等の会社の概要を決める
  2. 類似している会社(社名)がないかを調べる
  3. 定款を作成する
  4. 公証役場で定款の認証を受ける
  5. 出資金を払い込む
  6. 法務局に会社設立の登記をする

このうち、3番目(定款を作成する)以降のステップで必要になることをまとめます。

事前に取得する書類

発起人、取締役の印鑑証明が必要です。発起人かつ取締役というパターンもあると思いますが、その際は2通必要になりますのでご注意下さい。

  • 定款認証を受ける際に「発起人」全員の個人の印鑑証明が必要です。
  • 法務局で設立登記を行う際「取締役」全員の個人の印鑑証明が必要です。

定款作成時の注意事項

定款を作成するときは厳密に必要事項を記入する必要があります。特に住所はマンション名をどうするかなどがわかりづらいと思いますが、「印鑑証明書」のとおりとします。また、取締役の任期は株主構成がイレギュラーでない限り10年として問題ないと考えます。役員選任登記の手間を考えると、長い方が良いためです。

  • 代表取締役の氏名・住所・生年月日
    • 住所は「印鑑証明書」と一字一句同じ内容で入力します。
  • 発起人の氏名、住所
    • 「印鑑証明書」と一字一句同じ内容で入力します。
  • 取締役の任期
    • 10年まで延長できます。もちろん、株主総会を開いて定款変更を行うことも出来ます。

資本準備金ありの場合の定款の記載方法

消費税の免税を受ける場合は、資本金を1,000万円未満にする必要があります。とはいえ、設立時に1,000万円以上の出資が必要な場合は、2分の1までの金額を資本準備金にあてることで資本金の額を減らすことが出来ます。具体的には定款で以下の通り定めます。

  • (設立に際して出資される財産の最低額並びに成立後の資本金及び資本準備金の額)
    • 第○○条  当会社の設立に際して出資される財産の最低額は,金○円とし、出資された財産の価額の2分の1を資本金と、その余を資本準備金とする。

定款認証時の公証役場への持ち物

事前にアポイントを取ることをおすすめします。その際の持ち物は以下のとおりです。なお、会社設立Freeeを使えば、行政書士による電子定款の届けを行って頂けますので、4万円の収入印紙が不要となります。

  • 発起人全員の印鑑証明書
  • 現金5万2千円(公証人へ支払う手数料)
  • 公証役場へ出向く人の実印
  • 電子定款を利用する場合は以下は不要

発起人が全員で出向かない場合は、さらに以下のものが必要になります。

資本金の払い込みと確認方法

定款認証を受けた日以降(同日を含む)に振り込みを行います。振込先は、発起人個人の銀行口座となりますが、現在利用している通帳を使用しても構いません。全員振り込み完了後、通帳残高が資本金の額以上になっていることを確認します。入金が終わったら通帳に記帳してそのコピーをとります。コピーは以下の3点が必要です。

  • 通帳の表紙、裏表紙
  • 氏名、口座番号の記載されたページ
  • 資本金の入金が記帳されたページ

まとめ

もろもろ調べながらのチャレンジでしたが、会社設立Freeeは本当に助かりました。ただ、資本準備金の部分が未対応でしたので、その点は個人で修正する必要があり、今後の機能改善に期待しています。会社をつくってからが真のスタートですので、ここから頑張っていきたいです!ONDもオズビジョンもよろしくお願いします!

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このブログは、実務を通じて個人的に学んだ現時点の見解であり、正確性および完全性について保証せず、また責任を負いません。記載内容につきましては、専門家等の意見をもとに自己責任でのご判断をお願いします。
見識の違い等、お気づきの点がありましたらフィードバック頂ければ幸いです。

個人事業主になるにあたってやるべきこと

前回のエントリーtapir320.hatenablog.jp
で会社を退職させて頂いたことをご報告しました。その後、個人事業主になるにあたってもろもろの手続きを行ないました。意外と大変でしたので、何を行う必要があるのかを共有させていただきます。

前提

  • これまでは株式会社に勤務(関東IT健保)
  • 妻1人、子ども2人。いずれも扶養に入っている
  • 選択性確定拠出年金(401k)を実施

1. 個人事業主の開業届

届出先:税務署
提出期限:開業から1か月以内

何はなくてもまずは「個人事業の開業・廃業等届出書」と「所得税青色申告承認申請書」を提出します。
https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/04.htm
https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/09.htm
特に青色申告の届け出をすることで、年間65万円の基礎控除が受けられますので、確実に届け出をしましょう。

2. 健康保険の切り替え手続き

提出期限:退職日から20日以内

私の場合はITS(関東ITソフトウェア健康保険組合)に加入しておりましたので、任意継続被保険者資格取得申請書を提出します。
http://www.its-kenpo.or.jp/hoken/nini/about/tetsuduki.html
任意継続への切り替えは退職日から20日以内で、また、保険料の納付期限を超えると任意継続から外れることになります。期限を守って手続きをしましょう。
なお、これまでつかっていた保険証とは切り替わりますので、会社に返却します。

3. 国民年金への加入

届出先:区役所
提出期限:退職日の翌日から14日以内
必要なもの:年金手帳または基礎年金番号通知書、退職証明など勤務先・退職年月日のわかるもの

国民年金には扶養という概念はありませんので、妻と私の2人分の加入手続きが必要です。職場から退職証明では妻の加入には不十分ということで、社会保険の被保険者資格喪失届が必要です。身分証明書と年金手帳と一緒に持参し、手続きを行ないます。

4. 401k(選択性確定拠出年金)の移管

届出先:自分で選択する金融機関
提出期限:6か月以内

401kの切り替えはこれまで拠出していた掛金の脱退と、個人拠出への加入の2つのステップが必要です。
まず、企業での脱退手続きは、総務担当に依頼すれば手続きを進めてくれます。(私の場合は自分で行ないましたが)
次に、個人拠出への加入は、自分で拠出する金融機関を選択します。私の場合は、証券口座を開設しているSBI証券としました。申込みから3日程度で資料が送付されてきました。

5. 住民税の切り替え

届出先:区役所(ただし、会社が手続きをしてくれます)

企業に務めている場合、住民税は給与から天引きされます(特別徴収と言います)。個人事業主になるにあたって、住民税は自分で納税する必要がありますので、その切り替えをする必要があります(普通徴収と言います)。通常は勤務先が手続きをしれくれますが、普通徴収に切り替えることで、自宅に住民税の納付書が届きます。

まとめ

個人事業を開始するだけで結構な手続きが必要になりますが、今後も会計システムでの管理や確定申告などの事務作業が増えます。私の場合は管理系の職種柄これも勉強になると捉えていますが、他の職種の方にとっては少々手間かもしれません。事務手続きは苦手な方も多いとは思いますが、一つ一つは大したことではないので、もれなく確実に行うことをお勧めします。

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イノベーション創出に向けた働き方改革(雇用契約を業務委託契約に切り替えた仮説検証)

新しい働き方を検証するために、9月末をもって会社を退職させていただくことにしました。(突然の報告ですが、びっくりしないでくださいね。)

私がオズビジョンに参画した目的は、日本一の働きがいと働きやすさを実現した組織を作り、イノベーションを起こすことで、世界に通用する価値あるサービスを生み出したいと考えたためです。

オズビジョンではイノベーションの創出に向け、メンバーの可能性を最大限に解き放つ必要があると考え、自律型勤務制度を導入しています。
しかしながら、労働基準法の制約がある限り、(管理監督者だとしても)完全に時間や場所にとらわれない働き方とすることは難しいです。当社の働き方は、労基法に照らすと管理監督者コアタイムのないフルフレックスの2パターンです。フルフレックスの場合は、深夜・休日の制約があり、所定労働時間に満たない場合は欠勤控除が発生します。(当社は発生しませんが)また、管理監督者の場合は、休日の概念はありませんが、深夜についてはフレックスと同じく割増賃金の対象になり、また、労働安全衛生法の観点からは時間管理を行うことが望まれます。

以上の通り、時間や場所にとらわれない働き方を完全に実現するには、今の労働基準法では難しいと考えています。そこで、私自身が業務委託契約に切り替えることで、さらに自由度を増した働き方になるとどのような変化が生まれるかを検証したいと考えました。

組織へのコミットは、契約形態の違い(正社員、契約社員派遣社員、業務委託…)から生まれるのではなく、ミッションやビジョンへの共感の差から生まれると考えています。今回我々が行おうとしているネオ業務委託契約制度*1は、大前提が個人としては自己実現、組織としてはイノベーションを起こすことであり、そのための手段としての制度です。

時間や場所にとらわれない働き方がイノベーションにつながるのか、以下の通り3段階の仮説を立てて検証をしていきたいと思います。

仮説

イノベーション創出には時間や場所にとらわれない自由な働き方が必要である。働き方を自由にすることで個人の生産性が高まり、ひいては職場、組織と好循環が生まれる。

第1段の検証内容と検証方法

個人活動のインプットとアウトプットの変化を調べる

インプット(投入量)の変化

  • 労働時間の変化
  • 休日・休暇の変化
    • オズビジョン、副業、家族、個人の4分類で何にどれくらい時間を使ったのかを測定する

アウトプット(成果)の変化

  • 業務目標における成果
    • 上司、同僚からの評価で測る
  • 業務外における成果
    • 副業の成果
      • 副業先からの評価は、副業先に聞く
    • 家族との関係の質
      • 家族との関係の質は、妻からの評価で確認する(5フィンガーで妻に聞く)
    • 個人活動の成果
      • 個人活動の成果は、ブログ投稿数など行動の変化で測る

ここからどうなるかはわかりませんが、新しいチャレンジになんだかワクワクします。随時近況はアップデートしていきますので、みなさんお楽しみに!

*1:名前がいまいちなので、きちんと考えます

新しい会社のつくり方(Day 1)

こんにちは、久しぶりのブログ更新です。今日は普段の業務とは離れたテーマです。

診断士の学びを活かして、会社設立のお手伝いをすることになりました。私自身も会社を設立したことは無いので、いろいろ調べながら取り組むことになります。その備忘のため、また、今後会社を設立する人の助けになればと思い、学んだことを少しずつアップしていきます。試行錯誤しながらリアルな経験を共有できればと考えています。

まずDay1では、全体の流れを整理しました。専門家に頼まなくても約2週間で会社設立ができるようです。箇条書きを中心に必要事項を取りまとめます。

前提

  • 取締役は2名
  • 出資者(発起人)は知り合いのみ
    • 募集設立ではなく、発起設立とする
  • 社員も採用する

事前準備編

以下の流れで準備をしていけば良さそうです。

会社概要の検討

  1. 社名を決める
    • 類似の社名がないか、調査する
  2. 会社の基本事項を決定する
    • 事業の目的
    • 事業年度(決算月)
    • 本店所在地
    • 設立日
    • 公告方法
    • 資本金、一株あたりの金額
    • 取締役を誰にするか
  3. 発起人と取締役の印鑑証明を取得する
    • 発起人の印鑑証明は、定款認証時に公証人役場に提出する
    • 設立時取締役等の印鑑証明は、設立登記申請時に必要

事務手続き

  1. 定款をつくる
  2. 定款の認証を受ける(公証役場
  3. 法人の印鑑をつくる
    • 実印、銀行印、代表者印(丸印)、角印の4つに分けるのがベスト
  4. 発起人の誰かの通帳に資本金を振り込む
  5. 登記書類を作成する
  6. 登記を申請する
  7. 株主名簿をつくる

役所対応編

税務署、道府県税事務所、市役所に提出するもの
  • 法人設立届出書(法人設立後2か月以内)
  • 登記簿謄本
  • 定款認証を受けた定款
税務署
  • 青色申告の承認申請書
    • 法人設立後3か月以内
  • 給与支払事業所開設の届出書
  • 源泉所得税の納期の特例の届出書
  • 減価償却資産の償却方法の届出書
  • 棚卸資産の評価方法の届出書
労働基準監督署
  • 適用事業報告
    • 従業員を使用するときは遅滞なく
  • 就業規則
    • 従業員数が10名以上の場合
  • 労働保険保険関係成立届
    • 労働保険が成立してから10日以内
  • 労働保険概算保険料申告書
    • 会社設立の日から50日以内
  • 時間外労働・休日労働に関する協定届
ハローワーク
年金事務所
  • 健康保険・厚生年金保険新規適用届
    • 会社設立後5日以内
  • 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
    • 会社設立後5日以内
  • 健康保険被扶養者(異動)届
    • 事実のあった日から5日以内

必要な書類

発起人会

  • 発起人会議事録
  • 発起人設立事項決定書
  • 発起人の印鑑証明書

定款認証

  • 定款
  • 委任状(定款認証用)

株式の払い込み

  • 払い込みがあったことをを証する書面

役員選任

  • 取締役の就任承諾書

本店所在地決定

  • 発起人会議事録(本店所在地決定)

設立時代表取締役の選定

登記申請

  • 設立登記申請書
  • 登録免許税納付用台紙
  • 委任状(登記申請用)
  • 登記事項提出書
  • (設立時取締役の)個人の印鑑証明書
  • 代表者の印鑑届出書
  • 資本金の額の計上に関する証明書

その他今後のために

  • 法人印鑑証明書
  • 印鑑カード交付申請書

参考書籍

株式会社をつくるならこの1冊 (はじめの一歩)

株式会社をつくるならこの1冊 (はじめの一歩)

オールカラー 一番わかる会社設立と運営のしかた

オールカラー 一番わかる会社設立と運営のしかた

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経験学習とアクティブラーニングを取り入れた研修内製化のすすめ

気がつけば前回のエントリーから2か月が経っていました…

早いもので夏も終わりですね。毎年楽しみにしている高校野球も気がつけば一瞬で終わっていました。今年は花咲徳栄が埼玉県初の全国制覇を遂げたのですね。

さて、この1か月は怒涛の日々を過ごしていました。社会人人生初の海外出張から3泊4日のBizcamp in 釜石、合間を縫っての社内研修&採用面接を連日こなし、高校野球を見る暇もない毎日でした。今日はその中でも2週間に一度実施し続けている社内研修の話をさせていただきます。

以前のブログtapir320.hatenablog.jp
で研修設計を学ぶ研修に行ってきたという話をしましたが、その学びを活かして研修内製化を行っています。次世代リーダーを対象とした研修を行っていますが、以下の4つのテーマでの研修が終了しました。

  • 第1回:重要思考
  • 第2回:組織運営
  • 第3回:リーダーシップ
  • 第4回:コミュニケーション

これらの研修を設計する上で大切にしたのが、経験学習とアクティブラーニングです。研修内製化を行うにあたって外してはいけない2つのポイントを実践を交えてお話をさせて頂きます。

経験学習

経験学習とは、1) 自らの経験を通じて学習し、2) そこで得た気づきを振り返り、3) 学びを次に応用できるように考え、4) 新しい挑戦に活かす、という4つのサイクルです。この4つのステップを回すことを意識して研修を設計します。具体的には以下のように進めています。

1. 講義をする(20分)

まずは講義から入りますが、一方的に話をすることはしません。ランダムに受講者のみなさんのことを指名し、意見を出して頂くようにしています。講義のテーマとこれまでの経験の関連する質問をすることで、自身の体験と新しい知識の紐付けができるように工夫します。

2. ワークをする(30分~40分)

個人ワークではなく2人一組ないしはグループ(5~6名)ワークとします。一人ひとりが主体的に取り組めるような人数とします。

3. 学びを振り返り、宿題を出す(20分)

ワークで出た議論や、ワークを通じて得た気づきを振り返り、発表してもらいます。また、学びを行動に変えるために宿題を出しています。やるかやらないかは参加者次第ですが、宿題に取り組むことで学びを定着させる効果を期待しています。

4. 振り返りをシェアしてもらう(講義終了後)

社内のイントラネットに振り返りを共有してもらっています。シェアするメリットは、2つです。言語化する過程で内省化が進むことと、他の参加者にとっても新たな気づきになるからです。

以上のような研修の組み立てが経験学習の1)から4)にもつながります。


アクティブラーニング

アクティブラーニングとは、研修の受講者が能動的に参加する学習方法のことです。受講者に文字や言葉でのアウトプットを促したり、グループワークを行ったりする研修方法です。対になるのは講義形式です。なぜ、アクティブラーニングが良いかですが、講義形式の学習効果を測ったところ、受講してから半年後にあらすじを思い出せる人は2%、キーワードだけなら思い出せる人は29%との結果があるからです。自分の学生時代を振り返れば、勉強の記憶がまったくないのも納得ですねw

あともう一つ、研修を設計する研修に通った際に学んだのは説明の組み立てとして、「吐く」→「吸う」→「吐く」のステップを意識するとのことです。「吐く」とは受講者からのアウトプットで、「吸う」とは受講者にインプットすることです。
最初の「吐く」で参加者の「現状のレベル」を確認します。次の「吸う」でレベルに応じた講義をします。最後の「吐く」で受講者にアウトプットしてもらい、理解度を測ります。この3ステップが大人相手の教え方には有効とのことです。

まとめ

研修内製化に取り組まれている人事担当も多いと思いますが、まずは研修の設計手法を学ぶことをお勧めします。その上で、まずはやってみる。やってみると気づきや反省もありますので、改善してまた試す。まさに経験学習のアプローチが研修内製化の精度も高めると思います。

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一流から学ぶべきであるという話

先週の木曜日、ダイヤモンド社が主催する研修開発ラボに行ってきました。研修を内製化するための学びを得る研修です。メタ研修とでもいうのでしょうか。
1日60,000円する研修だったのですが(会社に出していただきました。ありがとうございました!)学びの多い充実した内容でした。
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今回講師を努めていただいたのは、東京大学中原先生、ラーンウェルの関根さん、講師ビジョンの島村さんの3名です。午前中の中原先生の講義では、人材開発とは何かから始まり、研修で外してはいけない7つのポイントとして、職場での育成編、若手マネージャー育成編、研修編の3つのテーマでお話を頂きました。

午後は、関根さんと島村さんがメインとなり、具体的な研修設計のポイントを教えていただきました。研修のための研修ですので、様々な研修手法も織り交ぜられており、自分が講師になるときの技も増えたと思います。

アカデミックな知識をベースとしつつも実務化視点を忘れていない講義はいつも勉強になりますが、改めて一流から学ぶべきであるで感じたことを3つにまとめます。

沢山の学びからのエッセンスを抽出している

一流の方は当たり前ですが沢山勉強しています。沢山のことを学んで来た中でこれが大事だと思うことを抽出して教えていただくので、その濃度は当然に濃くなります。この濃さが圧倒的に違うので、同じ時間を費やしたとしても与えてくれるインパクトが違うのです。

科学的な根拠に基づいている

勘と経験で語る上司や先輩はたくさんいますが、一流は科学的な根拠をもとに説明をしてくれます。伝えていただく内容には明確な裏付けがあり、表面的な内容よりもむしろその背景にこそ価値があると思います。なぜこのような話をするのかを科学的に説明してくれるので、納得感と理解度が高まります。

自分も学び続けなければならないと意識できる

一流の言葉を理解するためには、受講者側にも勉強が必要です。この考え方は知らなかった、この単語は聞いたことがなかったということが頻出するのであれば、自分自身の勉強が足りていないことがわかります。一流の方が抑えていることを知ることで、自分とのギャップを確認できます。

まとめ

研修成功のポイントとして、自己効力感を高めることが大切という話がありました。自己効力感とは、自分もできると感じる力であり、これが高まれば研修後の転移*1が進むとのことです。

来週から私自身が講師となる社内研修がスタートします。前職でも研修内製化は行いましたが、今回の研修を経験したことで一段階パワーアップした研修を企画する自信もつきました。
また、大学3年生を対象としたサマーインターンでも講師を務めます。まだまだ絶賛募集中ですので、学生さんにお知り合いがいらっしゃいましたら、ぜひ情報拡散して頂けると嬉しいです。

oz-vision-internship.com

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*1:研修による学びが行動変化をもたらし、実務で活きかつそれが持続すること